2005年度 要望書
緊急要望についての内容
要望書内容
- 待機児童の解消について
- 第二きたうら保育園の来年度の入所募集について
- 待機児童への公的援助について
- 保育料について
- 保育環境の安全と充実のために
- 低年齢児の受け入れの拡大について
- 土曜日・日曜日の保育の実施について
- 時間外保育、延長保育について
- 育成保育(障がい児保育)について
- 給食について
- 病後児保育の実施について
木下 博信 様
会長 田村滋章
貴職におかれましては、子育て施策の充実のためにご尽力いただきましてありがとうございます。昨年度の第二きたうら保育園の開設、今年度のひかり幼稚舎、ハッピーナーサリーの開設は、1980年のやつかかみ保育園開設以来の保育園新設であり、貴職のご見識とご尽力に深く感謝しております。
また、保育料改定や第二きたうら保育園の存続についての父母会連合会との懇談にはご多忙の中にもかかわらず、貴職がご参加くださり、市民とのコミュニケーションを大切にしておられることに敬意を表します。
一方、乳児の最高月額を61500円から76000円に大幅に引き上げ、延長保育料の別途徴収開始など保育料の大幅な改定は、十分な検討がされていなかったと指摘せざるを得ません。応能負担原則の形は堅持されましたが、D19階層の0才〜2才児は延長保育料を合わせると国が定める徴収限度額である80000円にほぼ同額になる大変高額の負担です。児童福祉法が保護者の家計に与える影響を考慮して保育料を設定するようにと定め、どこの自治体もおこなっている市町村の独自の軽減率を限りなくゼロに近づけるものです。このような保育料の設定はもはや応能負担とは言えないのではないでしょうか。
父母連のアンケートでは、今年は保育料の引き上げや延長保育料の別途徴収開始について、「保護者負担増で保育園の予算が守られるなら仕方がない」「延長保育の職員人件費などに充当されるのであれば仕方がない」といった、善意で前向きの回答が少なからずあります。
しかし、実際は今年度は保育所運営費が削減され、出席シールや運動会のプレゼントなどこまごまとしたものまで切り詰められています。従来より改善をおねがいしていた職員配置や園舎の修繕などの予算も改善されることなく、保育園の予算減と保護者負担増加の変化です。
健全で積極的な市民自治の意識に応える行政の展開とは違う方向ではないかと言わざるを得ません。「市民サービス業としての市役所」「21世紀にふさわしい新たな視点で『快適都市』をめざし、市民と行政のパートナーシップによるまちづくり」という市長のお考えにも反する事態ではないでしょうか。
保護者負担の増加は直接的に市民の家計に影響を及ぼす大きなことですが、同時に、草加市の子どもたちの育ちについて、市がどのような展望を描くのかが期待されているところです。
20年先、30年先に、草加の子どもたちが私たちの草加や未来の社会を担っていくわけです。この子どもたちの育ちに必要で十分な手立てをとっていくことが私たちおとなの責任です。少なくない課題がありますし、一朝一夕に解決できるものでもないと存じますが、であればこそ、市長がおっしゃる通り行政と市民の健全なパートナーシップを作りあう過程を、誠意を持って大切にして、子どもたちへの責任を果たしていきたいとねがっています。このようなねがいから以下の要望を申し上げます。
緊急要望
本年10月からさかえ保育園を含む地区の松原団地建て替えの基礎基盤整備工事が始まりました。さかえ保育園は平成21年度に新築園舎で保育を始めるとのことですが、数年間に及ぶ工事期間の保育環境については騒音や振動や塵灰、工事車両の出入りに伴う安全の確保など、様々な困難を危惧しています。今後計画されているきたや保育園の建て替えなどを勘案すると、松原団地周辺に仮設園舎を設置して、さかえ・きたや保育園の建て替え工事中の代替園舎での保育を実施していただくことが、子どもたちの保育環境を守るにあたり必要であり有効なことではないかと考えます。
また、さかえ保育園の建て替えでは定員を180人にするとの検討がありますが、乳幼児が長時間生活する場としての適正な規模を超えてしまいます。大規模保育園とならないようにしてください。ご検討ねがいます。
当面の工事に関わっては工事関係の事業者に下記の配慮をしていただけるよう市からも要請をお願いいたします。
- (1)午睡の時間帯は、騒音や振動の激しい工事を行わないで下さい。
(2)大型車両は通園の安全のために、8時15分までは保育園周辺への乗り入れを控えるようにしてください。
(3)保育園の子どもたちや住民の安全の確保のため、交通警備員を配置してください。
(4)アスベストの測定結果など、安全であることの資料を公表してください。
あずま保育園を高砂小学校内に移転する方向で建設計画が検討されていますが、建替えにあたっての園舎の構想など、住民や関係者に公開されたところで検討を進めてください。現在の進捗状況もあわせて教えて下さい。
昨年度末には待機児童が461人を数えてしまいました。草加市次世代育成支援行動計画は平成21年度の保育園の需要人数を3,200人と推計していますが、計画では平成21年度の通常保育の受け入れ人数は2,569人としています。草加市の次世代育成支援行動計画が600人もの待機児の発生を前提にしてしまっていることに、大変な危惧を覚えます。ぜひとも需要に見合った計画的な保育園の整備に着手してください。
- (1)保育園の新設の進捗状況を教えてください。
(2)保育園新設にあたっては、専用の屋外遊戯場の設置や保育設備の確保、草加市基準の職員配置、調理室の設置や自園方式の給食の維持など、子どもたちが安全で草加市次世代育成支援行動計画が格調高く宣言している「子どもの権利」を最優先した良質な保育が展開できるようにしてください。
第二きたうら保育園の開設で、60人もの子どもたちとその保護者が安心して毎日の生活を送っています。市長をはじめ、保育課、保育園の職員のご努力とご見識に感謝しております。3才児未満に特に多い待機児のことや、異年齢のすてきな集団で育ちあう子どもたちを考慮いただいて、来年度も1才児の受け入れを続けてください。
待機児童の多くは認可外保育施設を利用しています。同じ草加市の「保育に欠ける」子どもであり、これらの子どもたちの健康や安全について草加市が同等の援助をすべきことと考えます。
- (1)認可外保育施設利利用の児童に、草加市の保育園が行っていると同様の医科歯科検診を草加市が行ってください。
(2)待機児童であって家庭保育室や認可外保育室に入所している場合は、「草加市保育料の徴収に関する規則」を適用し、第二子減免措置や草加市の保育料基準を上回る保護者負担については草加市が補填をしてください。
(3)待機児童の実態を把握して必要な手立てを取れるようにしてください。
今年度の保育料改定でのC階層の引き下げは大変ありがたいことですが、トータルの保護者負担は県内の自治体と比較してもまだまだ高額です。
- (1)国が定める徴収基準額に相当するD18・19階層の保育料引き下げを検討してください。
(2)とりわけ「逆進性」が大きいD階層の保育料の引き下げを検討してください。
(3)職員配置や保育条件の向上を伴わないままでの延長保育料の徴収は中止してください。(4)保育料の支払いが困難な世帯には、「草加市保育料の減免実施基準」を積極的に適用してください。
埼玉県は保育施設での死亡を含む事故が多い県として数えられています。今年8月には上尾市で公立保育園での死亡事故が発生してしまいました。草加市でも2000年に認可外保育施設で保育中の乳児の死亡事故が2件報告されています。
この悲しい教訓から草加市家庭保育室の委託費の改善などがされたことや、市による保育施設職員への救急救命などの研修の実施などまことにありがたいことです。さらに保育施設での事故防止のために必要な監督、あるいは援助、職員の研修の保障などに積極的に取り組んでください。
またこの数年、全国の保育施設の事故や事件は、乳幼児が長時間過ごす「生活の場」としてふさわしくない大規模保育施設で起きていることが指摘されています。背景には25%以上の定員超過を認める国による「入所の円滑化」というつめこみ保育が指摘されているところです。
2000年12月から草加市は「臨時的、緊急避難的措置」として定員の5%の定員を超える入所をしています。さらにこのつめこみ割合を10%まで拡大するという方針を聞いておりますが、保育に欠ける乳幼児の保育のいのちと育ちを守るためには、本末転倒の施策としか思えません。
詰め込みではなく、保育園の新設という当たり前の「待機児童解消」の実現について意見の交換をしたいと思います。
年度当初で、きたうら保育園では20人の1才児クラス、27人の3才児クラス、31人の4才児クラス、あおやぎ保育園では30人の4才児クラス、31人の5才児クラスなど、乳幼児が長時間を過ごす生活の場としてはあまりにも大きすぎる基礎集団が編成されています。保育室の増設で、乳幼児の生活の場にふさわしいクラス規模を確保してください。
当面の課題として何点か要望をいたします。
- (1)うつぶせ寝の危険など、安全管理の注意喚起を引き続き市内の保育施設に行ってください。
(2)現在行われている定員以上の受け入れ(つめこみ保育)はこれ以上拡大しないでください。
(3)草加市の子どもたちが利用している認可外保育施設の実態を把握し、必要に応じて、監督、指導、あるいは現場スタッフへの研修を行い、認可外保育施設等を利用している子どもたちの安全で良質な保育が提供できるようにしてください。
(4)全保育施設でアスベストが使用されていないか調査し、その結果を公表してください。
(5)雨天時にベランダがびしょびしょになってしまう、園庭に水がたまりに送迎が大変などの状況が多くの園で見られます。技能員さんをはじめ職員が工夫をしてくれていますが、各園において改善に必要な予算措置をお願いいたします。
(6)今年度から予算削減された教材費などの予算を元の水準にもどしてください。
- (1)0才児保育を全園で実施してください。
(2)産休明け保育の実施園を増やしてください。
延長保育未実施園での土曜日の保育時間は15:30までとなっています。「土曜日は半ドン」という就業形態は一般的にはほとんどなくなっており、土曜日に一日勤務の世帯の子どもとっては不十分です。また同様に日曜日の勤務も業種によっては普通にあります。職員の加配など必要な措置を取ってこれらの状況に対応する保育を実施してください。
- (1)当面、延長保育未実施園でも土曜日の保育時間を平日と同様、18:30までとしてください。
(2)指定園方式などでも日曜日の開園を検討してください。
時間外保育の利用は一般的になっており、断面調査によれば、草加市基準はもとより国基準をも大幅に下回る職員配置で1才児から6才児の異年齢の数十人の集団の時間外保育が常態化しています。保育の質や安全を担保できるように時間外保育の職員体制を手厚くしてください。
また、職員の加配をともなう7時から19時の延長保育の実施を全園で行えるようにしてください。
全園を対象に育成保育を実施してくださったことに感謝しております。育成保育担当保育士の配置は対象児3人に対して1人を原則としていますが、草加市育成保育実施要綱の「状況により保育上支障があると認められるときは、この限りではない」を積極的に運用して、育成保育担当保育士を複数配置するなどの手立てをして、1園3人の受け入れをしてください。
また障がいや慢性疾患を持つ子どもは、療育や訓練、定期的な受診・受療など、保護者によらなければならないケアが必要であり、保護者の就労は事実上不可能な実態があります。入園申込にあたっては「草加市保育の実施に関する条例」の保育の実施基準(7)を適用する必要を検討してください。
草加の保育園の子どもたちは保育園の給食が大好きです。ベテランの調理員さん栄養士さんが、季節や園の生活や行事に応じ、ひとりひとりの体調や育ちにあった食事を、園全体の職員の見守りや、保護者からの情報や心配に応じた給食やおやつを提供してくださっているからです。このすぐれた自園直営方式は草加の宝物です。今後もぜひ自園直営方式の給食を続けてください。
今日的な「欠食」や「孤食」の問題、食生活の乱れなど食をめぐる困難な状況への対応の必要は、多くの専門機関や厚労省や文科省も取り組みの必要を強調しているところです。3才児以上の子どもにあえて主食を提供しない「不完全給食」を改めて、主食を提供する「完全給食」の実施を検討してください。
子どもの感染性の疾患後の回復期も含めて、長期に仕事を休むことはなかなかできません。せめて子どもの病気の時くらいは遠慮せずに仕事を休める労働環境や社会的な合意が必要ではありますが、雇用情勢が厳しい中、現実的ではありません。草加市次世代育成支援行動計画でも「早急に整備を図ります」としている病後児保育のニーズは大きなものです。実施に向けた検討の進捗状況を教えて下さい。
以上